2008年12月04日
アステラスが長期戦略「ビジョン2015」
グローバル・カテゴリー・リーダーを実現
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:アステラス製薬

 アステラス製薬は3日、2015年までのグローバルな長期経営戦略を作成したと発表した。ビジネスモデルとしてグローバル・カテゴリー・リーダー(GCL)を目指す3つの仕組みを野木森雅郁社長が明らかにした。

 同社のビジョン2015は強固なビジネス基盤の確立と製品創出力の向上を戦略とし、マネジメントコントロール、人的資源活用、CSR(社会的責任)の3つの仕組みから成り立つ。高い専門性が必要とされる複数の領域(カテゴリー)で、高付加価値の製品をグローバルに提供、そのカテゴリーで競争の優位性をリーダーとして構築するのが狙い。

 ロードマップとして07年にAgensysを買収、08年にはトルコ販社、インド販社の設立、米・欧・国内での新薬発売、米グランドアイランド工場譲渡、海外2社とのライセンス契約、つくば研究センター(御幸が丘)の新棟完成、またグローバル経営体制強化や開発機能本社の設立などを進めた。

 グローバル営業体制は国内、北米(プログラフ高依存からの変革)、欧州(感染症ビジネスの立ち上げ)、アジア(中国市場の拡大)で強化した。泌尿器、移植と感染症などの薬品に加えてGCLの候補に炎症、免疫、糖尿病、中枢、疼痛、がんなどをあげている。

 自社の創薬研究力の強化では、つくば研究センターのほか京都大学との「次世代免疫制御をめざす融合拠点」、ips 細胞医療応用加速化プロジェクトがある。また、分子医学研究所を中心とした抗体医薬研究、バイオ創薬研究がある。

 この1年では米 Maxygen社との臓器移植領域、米 CoMentis社との中枢領域(アルツハイマー)でのライセンス契約がある。欧米との社会貢献活動や環境対策も行う。炭酸ガスでは2010年に96年比20%削減を目指す。同社はこの計画について2015年までの売り上げ目標、投資計画を明らかにしなかった。