2001年05月14日
PS、原料価格の動向次第で値上げ交渉仕切り直しの可能性も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 PS(ポリスチレン)は、昨年秋までに各社が第4次値上げを打ち出したものの、市場環境の悪化からこれまで陥没価格の修正にとどまっているが、近年各社が再編含め進めてきた合理化努力の結果、コストに占める原料価格の比率が高まっており、今後の原料価格の動向次第では、値上げ交渉が仕切り直しされる可能性が出てきている。
 PSは、1999年春までに5社4グループ体制に再編され、各社が設備廃棄を含めた大幅な合理化に取り組んできた。製造工程だけでなく、物流から営業、管理部門に至るまでメスを入れた大幅なコスト削減により、「今ではモノマーからポリマー(PS)への加工費という意味では、国際レベル達している」(大手PSメーカー)という。この結果、原料価格の動向がコストや収益に与える影響が極めて大きくなっているのが現状で、生産コストの約8割を原料コストが占めるようになっている。
 昨年秋までに各社が打ち出した4次値上げは、需要業界が厳しい状況に立たされていることもあって進まなかったが、今後原料が上昇した際には他の汎用樹脂の動向も勘案しつつ、値上げ交渉の仕切り直しを検討することになりそうだ。