2008年12月09日
三菱化学、炭素事業と電池材料事業を強化へ
総合的な対応力を生かして質量とも拡充
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は9日に三菱ケミカルホールディングスが開催した事業説明記者会見において、三菱化学の炭素事業と電池材料事業それぞれの拡充策についても概要を明らかにした。
 
 炭素事業については、コークス炉ガス(COG)の付加価値の向上と世界的なニードルコークス不足に対応しての高純度グラファイト設備の増強に特に力を入れていくことにしている。
 COGの高付加価値化に関しては、ベンゼン→メタノール→ジメチルエーテル→プロピレンへの展開を目指すとともに、CO2の活用によるC1ケミカルの道も切り開いていく考え。COG130万立方メートルからBZ300,000トン、プロピレン300,000トンが得られる計算という。
 高純度グラファイトについては、ピッチ精製の効率向上と設備増強で25%の能力拡大を計画している。2010年8月までにニードルコークスは15,000トン、特殊炭素用は6,000トン、炭素繊維原料は10,000トンそれぞれ能力増を図る。投資額は40億円となる見込み。
 
 一方の電池材料事業については、電解液、負極材、正極材、セパレータの各種構成材料全てと優れた電池評価・解析技術をセットで需要家に提供、トータルソリューションプロバイダーとして需要家とともに発展していくことを基本に拡充を図っていく考え。2015年の業績目標は、売上高が07年の5倍の500億円、売上高比営業利益率が10%以上。設備投資額は、2,500トンの電解液設備向けに約2億円(2010年1月稼動)、2,000トンの負極材設備向けが約10億円(2009年10月稼動)、600トンの正極材設備向けが約20億円(同)、1,200万平方メートルのセパレータ設備向けが約10億円(2009年7月稼動)の計約42億円となっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1228867345.pdf