2008年12月11日
汎用4樹脂の国内需要が一段と縮小
11月中旬以降の出荷は前年の65%ていどに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンならびにポリスチレン各社によると、各樹脂の国内の需要は11月中旬以降一段と縮小、その結果、多くの樹脂メーカーの過去約1ヵ月の国内向け出荷量は前年同時期の実績の65%ていどまで落ち込んでいるという。

 各社の営業担当者によると、ここにきて受注が一段と縮小してきた要因としては、(1)自動車とデジタル家電の2大需要分野からの受注が急速に縮小してきたこと(2)日用雑貨やパレット・コンテナーの加工企業からの受注の縮小傾向に一段と拍車がかかってきたこと、の2点が挙げられるという。

 PPとPSの射出成形用品種の自動車部品向けとデジタル家電向けは前年同時期の受注量を40%弱下回っており、またPPやPEのフィルム用品種も自動車部品やデジタル家電部品の包装用のプロテクトフィルム向けの受注も30%以上減っている模様。

 PP、PS、HDPEの日用雑貨向けやパレット・コンテナー向けは40%近い縮小率になっている様子。これには韓国品をはじめとした海外品の流入量の増加が大きく影響していると見られている。反面、食品包装用は当初警戒されていたほどの落ち込みになっていないようだ。

 しかし国内需要全体が時を追うにつれて一段と縮小の度合いを強めはじめた点がいよいよ鮮明となってきたわけで、しかも輸出が国内向け以上に不調なだけに抜本的な構造改善策の検討が急務となってきたといえそうだ。