2008年12月12日
アジアのオレフィン価格が各地で上昇
エチレンもプロピレンも1週にトン50ドルづつアップ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 複数の大手商社によると、極東と東南アジアの両地域でオレフィンのスポット相場が反騰してきた。エチレンは2週間連続の、プロピレンは4週間連続の上昇である。

 最近のエチレン相場は、最も安いケースで極東でも東南アジアでもCFRトン当たり450ドル、高値の場合は同500ドルとなっている。11月中旬をボトムに1週間におおむね同50ドルづつ上がってきている。
 一方のプロピレンの直近のCFR価格は、安いケースで同500ドル、高値は550ドルとなっている。最近のボトムの11月初頭の価格に比べると同150ドル上がったことになる。

 ここにきてオレフィン相場が反騰してきた要因については、大手商社各社とも、アジア地域の石油化学企業がスチレンモノマーをはじめとした各種化成品やポリエチレンなど汎用樹脂の需要の縮小に対応してエチレンプラントの稼動率を思い切って縮小してきたことが効いて市場全体に需給引き締まり感が生まれてきたことにあると分析している。また、12月に入ってポリオレフィンのスポット価格が小幅ながら反騰してきたことも少なからず作用していると判断している。
 
 そして今後についても、まだ多くのエチレンセンターが減産を継続する構えなのでアジア地域のオレフィン相場はなおしばらくは強含みで推移する予想する向きが多い。