2008年12月16日
エチレン11社の全社ベースも大幅な減益に
上期の業績、石化部門の不振が足引っ張る
【カテゴリー】:人事/決算(経営、実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 経済産業省化学課が16日に集計したエチレンセンター11社による今年度上期の単独ベースの業績は、石油化学部門も含めた社全体の売上高が前年同期比9.9%増の3兆7,160億円、営業利益が同96.8%減の46億円、経常利益が同74.2%減の477億円、売上高経常利益が同4.3ポイント減の1.2%となって、増収ながらも大幅な減益となった。
 
 減益の最大の要因は、別掲のように石油化学部門が上期ベースで平成6年いらいとなる営業損失を記録したことにある。エチレン専業企業以外の総合化学企業は、かねてから電子材料や農・医薬など石油化学以外の事業の拡充に力を入れており、それらの部門では今期も一応収益を確保したが、石化部門の落ち込みまでカバーするには至らなかった。
 
 石油化学事業の採算割れが軽視できない規模に膨らんできた点がはっきり浮き彫りになってきているわけで、しかも石化部門を取り巻く環境が年明け以降一段と厳しくなる見通しとあって抜本的な構造改善が急務と指摘する声が石化業界の内外に広がっている。