2008年12月17日 |
PVCも11月の出荷が一段と縮小 |
輸出の大幅減も重なって前年比26.8%減 |
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会 |
塩ビ工業・環境協会が17日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の11月の生産・出荷実績は、生産が前年同月比28.2%減の133,609トン、出荷量が同26.8%減の137,691トンとなった。 この結果、生産は12ヵ月連続の、出荷は13ヶ月連続の前年同月割れとなった。生産も出荷も前年同月の実績に対する縮小率がこれまで以上に大きい点が目を引く。 出荷のうち国内向けは同17.1%減の95,502トンで4ヵ月連続の前年同月割れ、輸出は同42.0%減の42,189トンで11ヵ月連続の前年同月割れとなっている。 輸出の縮小幅の大きさが目立つが、これは中国のPVC加工企業の多くが加工製品の対米・対欧輸出の激減に対処して輸入を手控える動きを一段と強めていることによるもの。 国内向けの不調は、主力の硬質用が同18.3%減の54,796トンにとどまったことによる。4ヵ月連続の前年同月割れである。 ニュースリリース参照 ○塩ビ樹脂 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1229505644.xls 同日、定例の記者会見に臨んだ菅原公一・同協会会長(カネカ社長)は、国内向けの不振が続いている点について「最大の要因は、需要家各社が足元の製品在庫をできるだけ早く消化したいと考えて買い控えを一段と強めている点にあるのではないか」と述べ、加えて12月の出荷についても「引き合いが依然として低調なので、11月同様の厳しい結果になりそう」と引き続き大幅な前年割れとなる可能性が強い点を示唆した。ただし、年明けの動向については「住宅の着工件数が増えてきていること、また地球環境問題が大きくクローズアップされてきた中で省エネ効果が大きく省資源型の素材でもある塩ビ樹脂が再評価されつつあることなどが明るい材料」と主張、さほど遠くない時期に好転する可能性が十分にある点を強調していた。 |