2008年12月18日
PS、SMとも出荷の低迷が続く
11月も大幅な前年同月割れに
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が18日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)もSM(スチレンモノマー)も11月の出荷量は引き続き前年同月を大幅に下回った。PSは33%減で4ヵ月連続の、SMは23%減で11ヶ月連続の前年同月割れとなった。

 PSの11月の生産・出荷実績は、生産量が前年同月比10%減の62,758トン、出荷が同33%減の52,584トンとなった。生産は8ヶ月連続の前年同月割れである。定修による運休プラント数が前年同月より1基多かったのと、需要の減少に対応して各社が減産を強化したことによるもの。
 一方の出荷は、前年同月に対する縮小率がかつてない大きな比率となっている点が特に目を引く。国内需要が一段と冷え込んで32%もの縮小となったのに加えて、輸出が60%減と引き続き大幅な落ち込みになったことによる。
 同工業会では、国内向けの縮小は景気全体の後退による実需の停滞に需要家各社の先安観に伴う買い控えが加わったのが要因と分析している。需要分野別では、デジタル家電の需要不振が響いての電機・工業用の39%減が特に大きく足を引っ張っている。
 輸出の大幅減は、韓国や台湾における液晶パネルの減産が影響してのものと見られている。

 片やSMの同月の生産・出荷実績は、生産量が同26%減の214,071トン、出荷が同23%減の218,450トンとなった。生産は今年に入ってからの全ての月が前年同月割れとなっている。11月も前年割れとなったのは、定修・運休プラントが1基多かったことにPS向けの需要の縮小が重なったためと見られている。

 出荷の減少は、最大消費分野のPS向けが10%減と引き続き不振であったのに加えて、合成ゴム向けやEPS向け、さらには不飽和ポリエステル向けがかつてない大きな幅の縮小となったことによって国内向けが21%減となったことと、輸出が中国向けの低迷で26%もの縮小となったことによる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1229569177.pdf