2008年12月19日 | |
日化協の米倉会長が定例記者会見 | |
温暖化問題への積極的な取り組み等を表明 | |
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全) 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
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日本化学工業協会の米倉弘昌会長(住友化学社長)は同協会が19日に開催した第128回理事会後に記者会見し、地球温暖化問題や化学品安全問題等に対する同協会の取り組みの現状と当面の課題、ならびに先行きの景気展望に関する所見等を明らかにした。 地球温暖化問題については、「米国、中国、インドを含む全ての国が参加して公平で実効性の高いセクター別アプローチ手法によって問題の解決を図っていくことが重要」とかねての持論を改めて強調。そして、「化学製品が他の産業の温暖化対策にどれだけ貢献しているかを評価できる新たなLCAの早期取りまとめも大切なので、日本として引き続き主導的役割を果たしていきたい」と旺盛な意欲を表明した。LCAについては100ていどのケースについてデータ調査を実施する考えという。 また、「温暖化問題の解決には省エネを含む既存技術の活用と新技術の開発が不可欠」とも述べ、「日本の化学産業は世界最高水準の技術力を保有しているので、途上国に積極的に提供していきたい」と、この点でも十分に国際貢献していきたい考えを表明した。 話題の試行的排出量取引き制度に関しては「化学企業のほとんどが参加を申請したが、これは排出量取り引き制度がポスト京都議定書の対応策の一つとして法的強制力を持って運用される可能性もあることを前提としたものであり、試行を通じて同制度が果たして実質的な排出削減に貢献する仕組みがどうかを徹底的に検証し、マネーゲームにつながらないことをしっかり見極めていきたい」と語り、優先課題はあくまでも自主行動計画の目標達成に置いていきたい意向を明らかにした。 一方、今後の世界全体の景気の行方については「米国、欧州、中国、日本など各国が相次いで思い切った政策を打ち出しているだけに、比較的早い時期に金融不安が解消されて景気全体が回復に向かうのではないかと見ている。来年6月ごろまでは辛抱が必要かも知れないが、後半には盛り返すと予想している。生活関連産業などは中国の旧正月休み明けから回復するのではなかろうか」と早期回復に対する期待の大きさを表していた。 |