2008年12月22日
プライムポリマーが各樹脂とも大幅減産へ
来年1〜3月期の稼働率を60%に引き下げ
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーは、各種ポリオレフィンの国内需要の低迷に対応して各工場のポリオレフィンプラントの操業率を大幅に引き下げる方針を固めた。

 この数ヶ月80〜85%で推移してきた稼動率を来年1〜3月期には一気に60%に引き下げる。ポリオレフィン業界の長い歴史の中でもあまり例のない大幅な減産となる。しかも、自動車部品向けの出荷量が特に多いPP(ポリプロピレン)については40%以上の減産を考えている。これによって、在庫を思い切って削減することにしている。現在の在庫率は業界平均と同じ3.6ヶ月分となっているが、これを3月末までに適正規模といわれる2.2ヵ月分まで縮小する計画である。
 
 他のポリオレフィン企業も、ここにきて軒並み減産強化に踏み切る構えを見せている。また、ポリスチレンメーカーや塩ビ樹脂メーカーの間にも同じく減産強化の機運が急速に広がっている。最近の需要の縮小幅が極めて大きく、しかも回復にかなりの時間がかかる公算が濃厚となってきたことによるもので、年内もしくは年明け早々にはプライムポリマー同様の大幅な操業短縮を表明するところが相次ぐと見られる。
 
 石油化学誘導品の生産・出荷量は、11月中旬以降一段と縮小の度合いを強めている。原油並びにナフサの先安観の広がりと景気の後退による中国の需要家各社の買い控えの長期化に加え、自動車業界やIT関連業界の生産活動の急速な縮小によって国内需要が激減してきたことによるもの。
 PTA、フェノール・ビスフェノールA、SMなど化成品は、中国の需要の急速な減少によって夏前から大幅な減産が続いている。それに対してポリオレフィンなど汎用樹脂の場合は、需要の縮小幅が化成品ほど大きくなかったため減産率も化成品を下回っていた。
 しかし11月中旬に入ってからはどの樹脂も総出荷量が前年を30%前後下回りはじめ、このため自ずと減産率を拡大せざるを得なくなる企業が相次ぐ事態となっている。

 プライムポリマーもその一つだが、それでもなお需要の縮小幅が予想を上回る規模となっているため在庫の増加が新たな大きな問題として浮上してきていた。そこで減産率を一気に40%どころまで引き上げることで需給バランスの早期回復を目指すことにしたもの。加工企業など需要業界からも評価されることになりそう。