2008年12月22日
EVAも出荷の前年割れが長期化の傾向
11月は国内向けも不振で26%減に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の出荷不振が長期化しているが、機能性が売り物のEVA(エチレン酢酸ビニルコポリマー)もここにきて同様の傾向をたどりはじめた。

 同樹脂の11月の総出荷数量は15,389トンで、前年同月の実績を25.6%下回った。同23.3%減となった10月に続いての大幅な前年同月割れである。この結果、同樹脂の前年同月割れは7月に同0.5%減となって以降5ヶ月連続となった。

 11月の出荷の中で特に注目されるのは、国内向けが同13.3%減の11,804トンとなって3ヵ月ぶりに前年同月を割り込んだ点だ。主力のフィルム・ラミネート・シート用が同17.0%減と3ヵ月ぶりのマイナス成長に転じたことが大きく影響している。
 一方の輸出は同49.4%減の3,858トンと引き続き不調で、5ヶ月連続の前年同月割れとなった。中国の買い控えによるところが大きいと見られている。

 この結果、同樹脂の今年1月から11月までの総出荷数量は202,624トンとなった。前年同期の実績を5.8%下回っている。10月と11月の大幅減が強く影響している。うち国内向けは143,313トンで前年同期を4.1%上回っている。9月までおおむね順調な成長を遂げてきたことによる。しかし輸出は59,311トンで前年同期を23.8%下回っている。上期も輸出は前年を下回ったが、これは同樹脂各社に輸出余力が乏しかったため。だが下期の大幅減は中国の需要の急激な縮小によるもの。今後も輸出の不振はなおしばらく続くと見る関係者が多い。