2008年12月26日 |
PET廃棄物の輸出、11月は大幅に縮小 |
中国向けが減少、価格も急下降 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(環境/安全、実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
わが国のPET廃棄物の11月の輸出通関数量は22,292トンで、前年同月を33.8%下回った。前月に対しても34.5%の減少となっている。10月は史上初の前年同月割れ(同10.3%減)を記録して大きな話題を呼んだが、11月はさらに大幅な前年割れとなった。価格は1キログラム当たり42.8円で、10月の63円を大きく下回っている。 11月の輸出が前年同月と前月の両方を大幅に下回ったのは、これまで圧倒的多数を占めてきた中国向けと香港向けがともに10月以上に縮小したことによるもの。11月の中国向けは15,005トンで前年同月を30.4%下回り、また香港向けは5,536トンで59.1%もの減少となっている。輸出されるPET廃棄物全体の80%から85%が全国の市町村による分別収集PETボトルで占められているというのが関係筋に共通した見方で、その使用済みPETボトルはこれまで中国の玩具、雑貨、寝具等の加工企業の間で引っ張りだこであった。ところが夏場過ぎからそれらの加工製品の対米輸出が激減、それに伴い日本のPET廃棄物に対する注文も急激に縮小するに至っているもの。 こうした中国側の急激な輸入抑制によって、最近は、わが国の市町村が分別収集した使用済みPETボトルの多くが行く場を失ってあちこちで野積みされ不法投棄物となりはじめている。このため、日本容器包装リサイクル協会では、急遽市町村に対して貿易業者への売却を打ち切って同協会に引き渡すよう呼びかけているところ。また、国内のリサイクル事業者に対しても、同ボトルのリサイクル量の拡大を働きかけてもいる。ただし、リサイクル事業者の中には、対価を払っての引き取りには強く反発する向きが少なくない。したがって、中国側の輸入削減が今後も続くと容器包装リサイクル法の基盤に亀裂が入ることになりかねない。 なお、今年1月から11月までの総輸出量は333,557トンで前年同期を5.1%上回っている。07年の年間総輸出量は350,271トンで前年比28.6%増であった。 |