2008年12月29日 |
ダウとクウェートの石油化学合弁、一転破談に |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:ダウケミカル |
ダウは28日、クウェートの最高石油評議会が、来年1月1日に発足が予定されていたダウとPICの50/50の合弁会社 K-Dow Petrochemicals 設立承認を取り消したとの連絡を受けたと発表した。非常に残念で、対応を検討中だが、同社の中東戦略は不変であるとしている。 最高石油評議会はクウェートの第1副首相兼外務大臣を議長とし、石油大臣をはじめとする関係閣僚、中央銀行総裁および民間の代表者達から構成されており、石油政策に関する最高責任を有している。 既報のとおり、ダウとクウェート石油子会社PICは12月1日、50/50出資の合弁会社 K-Dow Petrochemicals の設立契約と付随契約に調印したと発表した。ダウの既存事業を移し、ポリエチレン、エチレンアミン、エタノールアミン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを製造販売し、ポリプロピレンの技術ライセンス、関連触媒の販売を行なうもので、2009年1月1日に営業を開始する予定であった。 既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=25672 これに対して、クウェートの国会の会派 Popular Action Bloc の議員が問題視し、反対運動を展開した。 設立契約ではPICは持分取得で75億ドルを支払うこととなっている(設立後に両社に15億ドルずつの配当を支払うため実質60億ドル)が、反対派は、グローバルな経営危機により、K-Dow Petrochemicals の事業の価値が大幅に低下しているとし、この取引は国の資金の浪費であると主張している。 (同じ反対派は国営石油会社が建設を決めた日産615千バレルの製油所建設にも反対しており、計画キャンセルの可能性が強い。) K-Dow Petrochemicals に関しては石油相がクウェートの石油化学産業にとって戦略的重要性を持つものと反論した。十分な検討の後に適正な手続きで決定しており、契約を実行すると述べた。 またダウも24日に声明を発表、交渉は公正に行われたこと、取引は十分に価値のあるもの(金融危機での市場価値と資産価値は異なる)などと主張した。 しかし多くの議員がPopular Bloc の意見に賛同し、今やJVを進めるか、取りやめるかの選択となっていた。 契約では契約キャンセルの場合は25億ドルの違約金を支払う義務がある。 |