2009年01月05日
汎用樹脂の出荷、1〜11月累計も軒並み前年割れ
目立つ輸出の大幅減、国内向けも主要品種が全て縮小
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用5樹脂(ポリオレフィン3樹脂とPSならびにPVCの計5品目)の昨年1月から11月までの出荷の累計は、5樹脂全てが前年同期の実績を大きく下回るかたちとなった。
 
 国内向けも輸出もともにマイナス成長となっており、特に輸出の大幅な縮小ぶりが目立つ。PSの輸出は9.9%減にとどまっているが、他の4品目は全て2ケタの縮小で、PPにいたっては39.3%もの減少率となっている。最大の仕向け先である中国の買い控えの徹底がストレートに影響してのもの。
 
 一方の国内向けでは、フィルム用や射出成形用など主要品種が軒並み前年を割り込んでいる点が特に目を引く。ポリエチレンのフィルム用品種の縮小は、安価なレジ袋が海外からこれまで以上活発に流入してきたことによるものと見られる。PPの射出成形用の減少には、日用雑貨向けにコポリマーが海外から大量に持ち込まれたことと、年後半に入って自動車部品向けの需要が急速に縮小してきたことが大きく影響していると想定される。PSでは電機・工業用の落ち込みが特に目立つが、これはデジタル家電の売れ行き不振がストレートに影響してのもの。またPVCの硬質用の前年割れは、住宅着工件数の回復の遅れと公共投資の後退によって塩ビ管の消費が一段と縮小したためと見られる。
 
 残る12月の出荷量はどの樹脂も11月以上に低調であった模様。したがって、08年トータルでも5樹脂全てが前年の実績を大きく下回るかたちとなるのは必至と見られる。

 汎用5樹脂の昨年9月以降の各月の出荷実績と1〜11月の累計は別表の通り。

【関連ファイル】
汎用5樹脂の08年9月以降の出荷実績と1〜11月の累計
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1231145303.xls