2009年01月13日
汎用樹脂の対中輸出、11月は全品目が前年割れ
年計でも初の全品目前年割れがほぼ確実に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の昨年11月の中国向け輸出通関数量(香港向けを含む)は、ポリオレフィンなど合計6品目の全てが前年同月を下回った。6品目全ての前年同月割れは3ヵ月振りで、昨年では6度目。しかも、縮小率がこれまで以上に大きい点が注目される。
 これに伴う昨年1月から11月までの累計も、同じく全品目が前年同期の実績を下回っている。縮小率の大きさから判断して、年計でも初の全品目前年割れとなった公算が高い。
 
 11月が軒並み前年同月を下回った要因としては、中国の樹脂加工企業の多くが加工製品の輸出の縮小と各種レジンの先安観測によって買い控えを一層徹底してきたことと、わが国の汎用樹脂各社が中国側の提示価格の低さと円高の進行を睨んで契約量を自ら制限したことの2点が挙げられる。
 
 この結果、LDPEは17ヶ月連続の、PPホモポリマーは12ヵ月連続の、PVCは9ヵ月連続で昨年10度目の、HDPEは6ヵ月連続で同10度目の、PSは4ヵ月連続で同9度目のそれぞれ前年同月割れとなった。PPコポリマー3ヵ月ぶりで同3度目の前年同月割れである。
 
 1〜11月の累計でも、前年同期に対する縮小率の大きさが目を引く。最も小幅のPSでも11.3%で、PP-Hにいたっては39.6%に達している。
 
 もっとも、これら汎用樹脂の場合は中国向けにとどまらず輸出全体でもPP-Cを除く5樹脂が前年同期を大きく下回っている。うち、LDPE、HDPE、PP-H、PP-Cの4品目は総輸出量に占める中国向けの比率が前年計の比率を下回っている。
 
 汎用樹脂6品目の昨年11月の中国向け輸出通関数量と累計は別表の通り。

【関連ファイル】
汎用樹脂の08年11月の中国向け輸出通関数量と累計
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1231812472.xls