2009年01月14日 |
「圧倒的な差別化新製品の創出を」と三井化学ポリウレタン桑原社長 |
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:三井化学ポリウレタン |
三井化学ポリウレタンの桑原信隆社長は14日、定例の記者懇談会でウレタン事業の現状を紹介するとともに、4月1日付けで実施する親会社の三井化学との統合の持つ意義や目指すべき将来像に関する所感等を明らかにした。この中で、目指すべき事業像については「圧倒的に差別化された新製品の創出によって質の面で厳しい国際競争を十分勝ち抜き、発展していける事業部門となること」と述べて、技術力をテコにした体質強化の重要性を強調した。 ウレタン事業の需給については、「需要が中国をはじめ世界各地で昨年秋以降急速に縮小しており、このため当社を含め世界のウレタン大手はアジア、米国、欧州の各地で相次いで大幅な減産に踏み切っている。現時点における世界全体のTDIの平均稼働率は45%まで低下している。当社ではTDIの設備の稼働率を25%まで引き下げるなど他社以上の思い切った生産調整を実施中」と語り、これまでにない厳しい状況と、在庫の削減と需給バランスの均衡に取り組んでいることを紹介した。生産調整はなおしばらく継続する考えで、4月から3ヵ月は定修の前倒しでTDIもMDIも生産をゼロに抑える意向も表明した。 今後の需要動向に関しては、「今年の第1・四半期を底に第2・四半期から回復基調をたどり、10年もしくは11年には縮小前のレベルに戻るのではないか」と比較的早い時点での回復を予想している。 三井化学との統合については「三井化学が、中期経営計画の重要テーマである機能性ポリマーズの拡大策の一つとしてポリウレタンをコア事業に位置づけて競争力を強化するため迅速かつ集中的に経営資源を投入して事業規模の拡大とグループシナジー効果の最大化を図ることによるもの」と解説。 「これによって4月からは機能材料事業本部の中のポリウレタン材料事業部(仮称)とコーティング・機能材事業部(仮称)に再編される見通し」と述べ、「これを契機に三井化学グループの技術力を結集してノンホスゲン法や植物由来ポリウレタンの早期工業化を果たし、合わせて現業のブラッシュアップを実現していくことが重要」と強調した。現業のブラッシュアップに関しては、「原料単品の販売から誘導品・システム販売への重点移行、特殊イソシアネートのさらなる拡大、聖域なきコスト削減、世界最高水準の安全性の確立の4点が大きな課題」と語った。 |