2009年01月20日
PSの12月の総出荷、前年比32%減と引き続き不調
年間総出荷量は前年比11%減で84〜85年の規模に
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が20日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の昨年12月の総出荷数量は50,164トンで前年同月の実績を32%下回った。11月が同33%減となったのに続く大幅な前年割れで、これで同樹脂の出荷の前年同月割れは5ヵ月連続に延びた。
 
 この結果、昨年1年の総出荷量は805,713トンとなった。前年の実績を11%下回っている。3年ぶりの前年割れである。1984年の総出荷量が約777,000トン、1985年が約825,000トンであったので、昨年はおよそ24年前のレベルに戻ったことになる。
 
 同樹脂の12月の出荷の内訳は、国内向けが前年同月比30%減の48,628トンで5ヵ月連続の前年同月割れ、輸出が同61%減の1,536トンで4ヵ月連続の前年同月割れとなっている。
 うち国内向けの減少には、電機・工業用がデジタル家電向けの激減と生活家電や事務機器ならびに記録メディア向けの需要の大幅減によって41%減となったことが大きく影響している。また、最大消費分野である包装用は製品の薄肉化の進展もあって18%もの減少となっており、FS用や雑貨・産業用も20%台の大幅な前年割れとなっている。
 輸出の激減は、拡散板向けの需要の急増によって前年の2倍の規模に膨らんだ07年の反動が出たことによるというのが同樹脂各社の分析。
 
 また12月の総生産量は54,072トンで前年同月を27下回った。9ヵ月連続の前年同月割れである。平均稼働率は60%ていどまで下がったと見られている。
 
 一方、同樹脂の08年年計の出荷の内訳は国内向けが前年比11減の768,438トン、輸出が同15%減の37,275トンとなった。国内向けは2年連続のマイナス成長で、1986〜1987年当時のレベルまで減った。輸出は2年ぶりのマイナス成長である。
 国内向けの大幅減には、第4・四半期の需要がリーマンショックで世界全体の景気が急激に縮小したことに加えて原料の先安観測の広がりによって需要家の買い控えが一段と進んだことが大きく影響した模様。第4・四半期の実績は前年同期を28%下回っている。年計では、7月以降の失速が目立つ電機・工業用の13%減や、住宅不振が続くFS用の14%減などが特に目を引く。
 
 年間総生産量は816,762トンで前年を8%下回った。2年連続のマイナス成長である。第3・四半期が前年同期比11減、第4・四半期が同15%減となったのが大きく影響している。年間平均稼働率は80%強だが、第4・四半期は70%台に低下した模様。
 年末在庫は106,417トンで、前年を12%上回っている。在庫率は2.1ヶ月で、適正レベルを0.6ポイント以上上回っている。