2009年01月23日
PXのアジアのスポット価格が急伸
石油各社の減産効果で1ヶ月で100ドル高
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、アジア各地でPX(パラキシレン)のスポット相場が急伸してきた。直近の台湾や中国のCFR価格はトン当たり740〜750ドルで、昨年12月中旬の平均に比べるとおよそ100ドルの値上がりとなっている。市場関係者の多くは、底打ちから完全に反騰に転じたと分析している。

 反騰の要因については、日本、韓国、台湾、タイ等の石油精製企業が実施してきた大幅減産によって市場全体に品薄感が広がってきたことが大きいと指摘する関係者が多い。石油精製企業筋によると、現在の主要PXメーカーの稼働率は70%前後となっており、中には60%どころまで稼働率を落としているところも少なくないという。

 リファイナリー各社は、ここにきてのスポット相場の急進を弾みに各自のコントラクトものの価格(CP)を早急に引き上げる構え。昨年12月のCPはCFR同600ドルがらみであったが、2月分を最近のスポット相場レベルに引き上げたいとするところが多い。

 しかし、大口需要家のPTA各社はこれに強く反発している。理由としては、中国をはじめとしたアジア地域のポリエステル繊維やPET樹脂の需要がまだ不振から脱却できていないためPTAの価格の引き上げが容易でないことと、PXのスポットものが占める比率が全体の5%前後にすぎないためコントラクト価格にただちに反映するかどうかとなると大いに疑問と言わざるを得ない点を挙げている。
 したがって、中国の旧正月休暇が明けてしばらく経過しないとPXのCPの行方がどうなるかの見通しは立たないということになる。