2009年01月30日
三井化学の3四半期決算、大幅な減益
通期では在庫の評価損も響いて初の欠損に
【カテゴリー】:経営(人事/決算)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は30日、平成21年3月期の第3四半期(4〜12月)の連結決算概要と21年度通期(4〜3月)の業績予想を発表した。
 
 第3四半期の業績は、売上高が1兆2,521億円で前年同期を6.4%下回るにとどまったものの、損益面では営業利益が120億円で同82.9%減、経常利益が90億円で同86.7%減、当期純利益が36億円で同90.1%減と、いずれも大幅な減益となった。
 営業利益が大幅に縮小した(583億円減)大きな要因としては、基礎化学品部門の在庫評価損が予想以上の規模に膨らんだことと、ポリウレタンをはじめとした機能材料部門の販売量が大幅に縮小したことが挙げられると説明している。
 
 一方、21年度通期の業績については、売上高が1兆4,500億円で前期比18.8%減となり、一方の損益面は営業利益が250億円、経常利益が300億円、当期純利益が130億円それぞれ欠損になるとの見通しを明らかにした。通期の赤字決算は1997年に三井化学が再発足して以降初めてとなる。
 
 うち営業損益が250億円の欠損となる背景については、機能材料部門と基礎化学品部門の販売数量が需要の減少によって著しく縮小するのに加えて、在庫の評価損がトータルで170億円にのぼることが大きいと説明している。在庫評価損はその多くが1〜3月期に集中する見通しという。

 こうした厳しい見通しに沿って同社では、1株当たりの期末配当を前回の予想の7円から3円に縮小する。年間では前回の予想の13円が9円となる。
 
 また同社では、こうした厳しい経営内容を考慮して(1)役員報酬の減額(2)管理社員の報酬減額(3)あらゆるコスト削減策の強化、の3点を柱とする緊急対策を実施する。(1)項については、役員賞与の返済、月例報酬の10〜15%減額(トータル年間総報酬の20〜30%減額)を計画、2月から業績の回復の見通しが立つまでの間実施する。(2)項に関しては、業績比例の賞与の減額、月例報酬の5%減を目途とした減額(トータル年8%の減額)を計画している。また(3)項では、3月期末までの在庫削減の徹底、投資案件の見直し等に特に力を入れていく考えだ。

ニュースリリース参照
○決算概要
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1233296679.pdf

○Summary of Financial Results・・・
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1233296679.pdf

○業績(連結・個別)予想及び配当予想の修正並びに緊急対策に関するお知らせ
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file3_1233296679.pdf

○Revised Consolidated and Non-Consolidated Financial・・・
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file4_1233296679.pdf