2009年02月02日
汎用樹脂の輸入、昨年は軒並み大幅増
PPは76%増の19万トン、L-Lは34%増の24万トン
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の08年の輸入通関数量は軒並み前年の実績を大きく上回った。最近ではきわめてめずらしい現象と言ってよく、PPやL-LDPEの場合は数量自体がかつてない大きな規模となっているため先行きを警戒する樹脂メーカーが増えている。
 
 財務省の速報によると、汎用樹脂の08年年計の輸入通関数量はPPコポリマーが前年比85.2%増の154,869トン、同ホモポリマーが同47.1%増の39,309トン、PP合計が同76.0%増の194,178トン、L-LDPEが同34.1%増の240,257トン、PSが同15.3%増の41,525トン、HDPEが同152.0%増の27,300トンとなっている。
 
 うちPPコポリマーとL-LDPEの増加については、三菱化学・鹿島事業所のエチレンプラント事故による品不足を解消するため同社や大手商社が年初から春先にかけて精力的に海外玉を手当てしたことが大きな要因と分析する関係者が少なくない。L-LDPEの場合は、12月の輸入量が13,063トンで前年同月を8.0%下回ったので、そうした指摘は的を射ていると言えそう。ただしPPの場合は、両品種トータルの12月の輸入量は15,604トンで前年同月を46.1%上回っている。また、PSの12月の輸入量は5,168トンで同2.1倍、HDPEは8,53トンで同12.3倍となっている。PSとHDPEは絶対量が小さいので無視してもよいと見る向きもあるが、その反面、年終盤における急増ぶりに対してはやはり警戒すべきと主張する樹脂メーカーが少なくない。
 
 しかも年終盤は、韓国、台湾、タイ、シンガポールなどこれまで製品の多くを中国に輸出してきた国々からの輸入が特に大きく伸びている。それだけに旧正月休暇明けの中国の需要家の動きがこれまで以上に注目される。