2009年02月04日
PXの2月のACPが大幅アップ
減産効果で1月比90ドル高に
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 パラキシレン(PX)の2月のアジア地域におけるコントラクト物の平均価格(ACP)がトン当たり720ドルに引き上げられることがこのほど決まった。

 わが国の大手リファイナリーとわが国や台湾・韓国など極東地域の大口需要家とが個別に交渉してきた結果、リファイナリー側の意向がおおむね受け入れられるかたちで決着した。1月のACPの平均は630ドルであったので、2月分の価格の上げ幅は90ドルということになる。率にして14%強のアップ率で、最近ではめずらく高い上昇率になったと言える。

 これでPXのACPは2ヵ月連続で引き上げられることになった。昨年11月と12月分に比べると120ドル高となる。これには、新日本石油が昨年11月以降に設備能力比40%もの大幅減産に踏み切るなど日・台・韓の各国の石油精製企業が市中の在庫の適正化を目標に相次いで思い切った生産調整に乗り出したことが大きく作用していると見られる。

 大手商社筋によると、最近のPTAのアジア地域のおける需給バランスは、リファイナリー各社の長期にわたる大幅減産による市中在庫の縮小に中国のポリエステル繊維の内需の回復傾向が加わってきたことから均衡を取り戻しつつある。今回のACPの2月分の急上昇には、そうした市況環境の変化を捉えたスポット価格の急騰も大きく影響したと見られる。