2009年02月06日
アジアのポリオレフィン市況が続伸
中国向けCFR価格は軒並み900ドル台に
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、アジア地域におけるポリオレフィンの引き合い価格が2月に入って一段と上昇してきた。中でも、中国のプラスチック加工企業やトレーダからの引き合い価格のアップ率が特に高いという。

 これに伴う直近のCFRベースの契約価格は、C4コモノマ−のL-LDPEがトン当たり960〜970ドル、HP-LDPEが同950〜960ドル、HDPEが同940〜950ドル、PPホモポリマーが同900〜910ドルとなっている。全ての樹脂が900ドルの大台に乗ったのは、全品目が軒並み急下降に転じた昨年夏場いらいとなる。

 昨年末に比べると、最も上げ幅が大きい品目では同170〜180ドル、小幅の樹脂でも110〜120ドル高い。

 このように全ての品目のオファーならびに契約価格がここにきて急上昇してきた理由について多くの商社は、(1)中国の石油化工総公司が石油化学製品全体の採算確保のため特に国産ポリオレフィンの価格の引き上げに乗り出してきたこと(2)需要家全体の長期にわたる買い控えで市中在庫が縮小してきたこと(3)需要家の間に原油ならびにナフサの先高観測が広がり始めたこと(4)中東やインドにおける大型新・増設プラントの稼動開始が当初の見込みより大幅に遅れてきたこと、の4点を挙げている。
 週を追って上がっている感じで、商社の多くは今後もしばらく強含みで推移すると予想している。