2009年02月09日
アジアのPH製品のスポット価格が反騰
中国向けのPHは520ドル、BPAは820ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるフェノールチェーンのスポット相場が中国の旧正月休暇明けから上昇してきた。

 各品目の今週明けのシップメントベースのトン当たりの平均CFR価格は、最大市場の中国向けを例にとるとPH(フェノール)が520ドル、BPA(ビスフェノールA)が820ドル、AC(アセトン)が550ドルとなっている。旧正月休暇前に比べると、PHは20ドル、BPAとACはともに30ドル上がったことになる。
 
 大手商社では、各品目とも長期にわたる低迷からの脱却のきっかけを掴みつつあると判断している。
 小幅ながら上昇に転じてきた背景については、三井化学、伊・ポリメリ、米・ジョージアガルフといった大手PHメーカーをはじめ、日・米・欧・韓・台の各国のPH企業が昨年秋以降に相次いで実施してきた大幅減産によってアジア地域全体における全ての関連製品の市中在庫がここにきて急速に縮小してきたことが大きいと分析する関係者が多い。
 ただし、PHチェーン全体の需要の絶対量が08年前半までの規模まで回復するにはもう少し時間がかかるとの見方が支配的。

 このため、安易に減産を解除するところが出てくるとスポット市況は再び下降線をたどると警戒する向きも多い。