2001年05月08日 |
環境対策に「石炭税」、エネ調査会WGで検討はじまる |
「エネルギー産業の効率化にプラス」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
「地球温暖化防止対策のため“石炭税”など新たな税制導入を検討したい」とする提案が8日に経済産業省で開かれた総合資源エネルギー調査会のエネルギー政策WGで事務局から行われた。結論がでるまでにはなお議論がくり返されるものの「京都議定書」の目標達成のためには、税制導入はCO2削減面で効果が期待されると事務局では説明、出席委員、オブザーバーからは多くの意見が出された。 事務局はまず地球温暖化防止対策推進のためのシナリオとして、省エネルギー対策と新エネルギー対策の2つをあげ、省エネでは産業、民生、運輸各部門合わせて約600万トンーCのCO2削減効果が期待できるとした。またクリーンエネルギー導入など新エネルギー対策では900万トンーCの削減効果が期待できると報告。 しかし、わが国が目標とする1990年度の排出量まで下げるにはさらに500万トンーCの排出抑制が必要だとしている。 税制については(1)課税によるエネルギー価格の上昇により需要を抑制する効果(2)課税による相対価格の変更により、CO2排出割合の高い燃料から低い燃料へ転換する効果、と2つの効果が考えられるとしたあと、公平性、経済への影響、対象範囲、自由化・効率化との関係、エネルギーの安定供給との関係、などに配慮する必要があり、「最大級の省エネ対策、新エネ導入対策をとってもまだ目標が達成されない場合に検討されるべきだ」としている。 また“石炭税”については、石炭発電のコストを天然ガスに比べて0.3円/kwh程度上昇させる税率を想定した評価表を提示、その中で一般炭への課税メリットとして(1)エネルギー産業の自由化・効率化とCO2排出削減とを両立させ得る手段として有効(2)現在非課税の一般炭に課税することにより、化石燃料の取り扱いにおいて、より公平性の高い税制になる、の2点をあげている。 |