2009年02月12日
酢ビのアジアのスポット市況が反騰
シップメント価格が750〜800ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 中国ならびに東南アジア地域における酢酸ビニルのスポット価格が2月に入って反騰してきた。

 直近のシップメントベースのCFR価格は、中国向けがトン当たり750ドル、東南アジア諸国向けが800ドルというところ。この1年のボトムとなった1月の平均価格に比べると、50〜60ドル値上がりしていることになる。

 ここにきて騰勢に転じてきた背景については、昨秋いらいセラニーズや昭和電工など酢ビ各社が大幅な減産を継続してきたことによって市中の製品在庫が順調に縮小してきた点と、原料エチレンの国際相場が反騰してきた点とを挙げる市場関係者が多い。

 同じアジア地域でもかなりの価格差が生じているが、これには、中国を含めて多数の酢ビ企業が存在している極東に対して、東南アジア地域ではセラニーズ以外に生産拠点を持つところがないことが大きく影響している模様。大手サプライヤーの一つの昭和電工では、今後も需要の回復がはっきり確認できるまで20〜30%の減産を継続するとしている。