2009年02月13日
ポリオレフィン各社、輸出に注力
アジア市況の回復を機に在庫縮小に拍車
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

ポリオレフィン各社が年明けから一斉に輸出の拡大に力を入れ始めた。メーカーや商社筋によると、1月の総輸出量はLDPE、HDPE、PP各樹脂とも前年同月を大きく上回った模様だ。LDPEは10%台にとどまったが、HDPEとPPはともに前年同月を30%以上上回ったと見られる。

 1月の実績がはっきりするまでにまだ時間がかかるが、ポリオレフィン3樹脂すべてが前年同月を上回ることになれば、07年12月いらいとなる。この間は、中国をはじめとしたアジア諸国からの引き合い価格が日本各社の希望するレベルをかなり下回ってきたことから積極的に引き合いに応じるところが少なかった。このため過去1年の月間輸出量推移を見ると、PPは12カ月全て、LDPEは2月と12月を除10カ月、またHDPEは4、5、6の3ヶ月を除く9カ月が前年同月割れとなっている。

 したがって、1月は文字通りの爆発的な伸びとなっていると言える。この背景については、(1)在庫削減がいよいよ焦眉の急となってきたこと(2)原料ナフサ価格が下がってきたなかで中国をはじめとしたアジア各国からの引き合い価格が上がってきたこと、の2点が挙げられている。

 2月も引き続き積極的に海外市場拡大に取り組むとしているところが多い。ただ、韓国や台湾等のメーカーも中国向け輸出に再びドライブをかける動きにあるため、市況の反落を懸念する向きも少なくない。