2009年02月16日
三菱樹脂 高温炉内で高精度回転性能を発揮 カーボンコンポジットロールの開発、量産化に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱樹脂
カーボンコンポジットロール

 三菱樹脂(本社:東京都中央区 吉田 宏社長)は16日、液晶テレビ、太陽電池、二次電池向けなどの高機能フィルムの生産性向上に貢献する耐熱性のカーボンコンポジットロール(商品名:カーボリーダー)を開発、量産に入ったと発表した。
 
 カーボリーダーは、100℃〜200℃の高温炉内でのロール回転性能が、室温時と変わらないという特徴をもつ。3メートル長のロールを数百本生産する量産ロットで、全てのロールの振れ精度を0.05ミリ以下(150℃以下)に抑える。

 種々のプラスチックフィルム、金属箔(ウエブ)の製造工程やウエブにコーティング、蒸着などのラミネーティングを施す処理工程には搬送用のロールが設置されている。高温下では、ロールに振れが発生するため、ウエブ生産ラインの広幅化や高速化が課題となっていた。

 同社のカーボリーダーは、◇熱膨張係数がほとんどゼロ、◇重量がアルミニウムの3分の2、◇剛性(ヤング率)が鉄の3倍というピッチ系炭素繊維を補強繊維とした基材(CFRP)を使っている。同ロールは専門メーカーのサンレイ工機(本社:千葉県白井市 山中正信社長)の高精度ロール加工技術で製造されている。

 これから成長が見込まれるフレキシブルなディスプレイ、太陽電池、チップなどのプリンテッド・エレクトロニクスの実現に不可欠な技術である「ロール・ツー・ロール方式」の確立に向けた利用が期待されている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1234750314.pdf