2009年02月17日
ポリオレフィンのアジア市況が横這い状態に
拡大してきた中国の引き合いに一服感
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社によると、中国の旧正月休暇明けから上昇が続いていた極東のポリオレフィン価格が先週半ばをもって横這いに転じた。
 
 中国の大手加工企業やディストリビュータからの直近のオファー価格は、トン当たりのCFRベースでL-LDPEが1,000ドル、HDPEが980ドル、HP-LDPEが930ドル、PPホモポリマーが90ドルといったところ。いずれも旧正月前から日を追って上昇してきた結果、先週半ばに昨年10月以降の最高値に達したもの。年末の平均価格に比べると、L-LDPEやHDPEは180〜200ドル上がっており、HP-LDPEは150ドル、PPホモポリマーも150ドル前後高くなっている。
 
 いずれも、アジア各国のポリオレフィンメーカーが長期にわたって大幅な減産を続けてきた結果中国市場におけるレジン並びに製品在庫が縮小して市場全体にタイト感が生まれてきたことと、オレフィンのスポット価格が反騰してきたことを大きな誘発要因として急騰してきたもの。
 
 それがここにきて横這い状態になってきたことについて多くの商社は、中国の大手加工企業やディストリビュータが、アジア各国の大手商社や樹脂メーカーへの引き合いを抑制する動きを取り始めたことが大きく影響していると分析している。韓国や台湾の石化企業が1月末から一斉にエチレンプラントの稼動率を引き上げ始めたことも中国側の購買心理に変化をもたらすことになっていると指摘する向きも少なくない。
 しばらくは、買い手と売り手の双方がともに相手の出方をうかがっていくことになりそう。