2009年02月23日
三菱化学のインドのPTA増設工事は月末に完工
年産127万トン体制で、基盤が一段と強固に
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学の子会社の一つの「MCC PTAインディア」はかねてからインドの西ベンガル州ハルディアでPTA(高純度テレフタル酸)の大型第2プラントの建設工事を進めているが、今月末には完工する見通しとなった。

 今回完成するプラントの年間生産能力は80万トン。これによって同社の総設備能力は既存の第1号機と合わせて一気に同127万トンに拡大する。
 インドでは、同社のほかにリアイアンスとIOC(インド石油)の両社もPTAを生産している。うちリライアンスの設備能力は200万トンと大きいが、うち150万トンを自家消化しているので外販分は50万トンにすぎない。一方のIOCの設備能力と外販量はともに40万トンどまりとなっている。

 したがって、MCC PTAの増設プラントが稼動すると同国内における同社の事業基盤は大きく強化されることになる。

 三菱化学によると、インドではポリエステル繊維の需要が引き続き順調に拡大しており、一方ではPTAの供給力が不足しているためPTAの需給バランスは慢性的なタイト状態にあるという。とくに最近は、リライアンスやIOCのプラントが小トラブルを起こしたのに加えてMCCが定修を実施したこともあって一段と逼迫の度合いが強まっているとのこと。

 このためMCC PTAの増設プラントはスタート当初から高率稼動できると見られている。同社では、しばらく試運転して6月から営業運転を開始する予定。

 なお、今回のインドでの増設によって三菱化学グループ全体のPTAの当面の設備能力は、日本25万トン、韓国170万トン、中国60万トン、インドネシア64万トンを合わせて446万トンとなる。