2001年05月07日
中国向けポリエチレンの相場には予想に反して 動きなし
農ポリ枠20万トンの決定を市場は折り込みずみか
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱商事

 三菱商事など大手商社によると、中国向けポリエチレンの価格は予想に反していまのところ目立った動きを示していない。ただし、商社の多くは、中国でも今年は日本同様の長期連休が採用されたので本格的な商談が開始されるのはこれからであり、したがって注目すべきは今週いっぱいの動きだと指摘している。
 当初、中国向けポリエチレンの価格が上向くと予想されていたのは、同国政府が4月下旬に、農ポリ用ポリエチレンの4~6月期の輸入減税枠を20万トンに正式決定したためであった。この決定を待っていた中国国内の農ポリ企業がすかさず一斉に韓国や日本などのポリエチレンメーカーや商社に対して同期に必要な数量を発注するはず、というのが関係筋に共通した見方となっていた。
 しかし実際には予想したような目立った動きがなく、このため相場にもほとんど変化が表れないできているわけ。
 商社の中には、こうした事態の背景について、「同国内のユーザーの中に早めに発注を済ませたところがいくつかあって、このため韓国などがポリエチレンをいち早く船積みしていてそれがすでに中国の港に入っていることも要因の一つ」と指摘する向きが少なくない。
 なお、現在の中国向けポリエチレンのCFR相場の平均は、L-LDPEとHDPEがトン当たり610~640ドル、HP-LDPEが640~660ドルとなっている。