2009年02月24日
ポリオレフィンの主要品種が大幅減
1月の出荷、軒並み前年比40%以上の縮小
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂それぞれの最大消費品種の1月の出荷数量は軒並み前年同月の実績を大幅に下回った。いずれも40%以上の縮小率となっている。ポリオレフィン各社とも、これほどの大幅な縮小は経験していないという。
 ポリオレフィンの1月の総出荷数量はそれぞれ前年同月を30数パーセント下回るという異例の落ち込みとなったが、これにはポリエチレンのフィルム用とポリプロピレンの射出成形用の記録的な縮小が大きく影響している。
 
 各樹脂それぞれの最大消費品種の1月の出荷量は、LDPEのフィルム用品種が約41,000トンで前年同月比41%減、HDPEのフィルム用が同14,600トンで同43%減、PPの射出成形用が同71,500トンで同41%減となっている。
 LDPEのフィルム用の縮小には、液晶パネル向けをはじめとしたプロテクトフィルムの需要の減少と安価な海外レジンの輸入の拡大が大きく影響していると見られる。また、全分野にわたって需要家の多くが先安を見込んで再び買い控えに乗り出していることも作用している模様。
 HDPEのフィルム用の減少の大きな要因は、レジ袋メーカーやごみ袋メーカーによる製品の薄肉化の進展と、海外からの安価なPE袋の輸入の増加の2点にあると見られる。
 PPの射出成形用の大幅減は、射出成形用の2分の1強を占める自動車部品向けがほぼ半減したことによるものと見てよさそう。雑貨用やコンテナー・パレット向けも引き続き前年を大きく下回っているが、縮小率は自動車向けほど大きくなく30%弱にとどまっていると見られる。
 
 ポリオレフィン各社によると、2月に入ってもこれら主要品種に対する注文は回復していないという。このため、3月末までは引き続き30%以上の減産を実施するというところが多い。中にはプライムポリマーのように40%減産を継続するというところもある。