2009年03月09日
フェノールのアジア市況が上昇
減産効果に先高観の広がりが作用
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 フェノール(PH)メーカー筋によると、中国を中心としたアジア各地でPHのスポット価格が順調に回復してきた。
 中国向の輸入価格を例に取ると、直近のCFR価格の平均はトン当たり650ドルとなっている。1ヵ月前に比べると、およそ100ドル上がってことになる。旧正月休暇前に比較すると150ドル前後高い。

 目覚しい回復振りと言えるが、PH関係者によるとこれには日本をはじめとした極東のPH各社が中国の需要家の引き合いと注文の激減に対処して昨年11月以降に大幅な減産体制措置を講じてきたことによって市中の製品在庫が急速に縮小してきたことと、もう一つはここにきて市場全体に原料の先高観測が再び広がってきたことが大きく作用している模様。また、フェノール樹脂の実需が土木・建築分野や家電分野を中心に徐々に回復しつつあることも市況を押し上げる有力材料になっているとの指摘もある。

 ただし、わが国のPH各社は中国の実需のどのていど回復しているのか、またこれからどうなるのかについては少し時間をかけて慎重に見極めていくことが必要と判断している。したがって、現在の減産体制をなおしばらく継続するとしている。