2009年03月11日
アジアのエチレン相場が小幅ながら軟化
韓国の増産で需給緩和感が広がる
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 わが国のエチレンセンターや大手商社筋の調べによると、アジア地域におけるエチレンのスポット価格が各地で再び小幅ながら下降線をたどりはじめた。

 直近の平均CFR価格は、極東地域も東南アジア地域もともにトン当たり640ドル弱となっている。1週間の下げ幅はいずれも5ドル前後と小幅だが、極東では3週間連続の、また東南アジア地域では2週間連続の値下がりとなっている。最近のピークの2月上〜中旬の平均価格に対する下げ幅は、極東で50ドル強、東南アジアで30ドル前後に達している。
 
 これまでアジア地域では、極東のエチレン相場が東南アジアのそれを上回るパターンが半ば常態化していた。これは、イランやサウジから比較的安価なエチレンが東南アジア市場に持ち込まれてきたことが影響してのものであった。しかし、この数週間は極東市場における下降率が高かったため東南アジアと極東の両地域のスポット相場が同じレベルに並ぶかたちとなっている。
 極東地域の下げ幅が東南アジアのそれを上回っている大きな要因は、韓国のエチレンセンターが軒並み稼働率を引き上げてきたことによって、中国の市場関係者の間に需給緩和感が広がってきた点にあると分析する向きが多い。