2009年03月11日
三菱化学のインドのPTA増設工事が完工
試運転を開始、5〜6月には営業運転入りか
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学がインド西ベンガル州ハルディアで進めていたPTA(高純度テレフタル酸)の増設工事がこのほど完工し、試運転入りした。
 
 今回の増設工事は、インド国内におけるポリエステル繊維の需要の拡大への的確な対応を目的に既存の年産47万トン能力の設備に同80万トン能力の最新鋭プラントを追加することにしたもの。
 これによって同社のインド(子会社;MCC PTAインド)の総設備能力は同127万トンとなり、同国におけるPTAの外販企業トップの座に着く。インドにおけるPTA企業は、同200万トンの設備を持つリライアンスと同40万トンの設備を持つにとどまっているIOC、それとMCC PTAインドの計3社。うちリライアンスは設備規模こそインド最大だが、年間150万トンを自消しているので外販量はほぼ50万トンと見られている。対する需要は世界同時不況が進行している中でも引き続き2ケタの伸びを維持しており、このため現在の需給は完全なタイトバランスの状態にある模様。したがって、今回の大幅増設は極めてタイムリーと言うことができ、MCC PTAインドの同国おける事業基盤は一段と強固になると見られる。同社では、5月か6月中には増設プラントの営業運転に入りたい考え。
 
 なお、今回のインドの増設によって三菱化学グループのTPA(テレフタル酸)の総設備能力は日本、韓国、インドネシア、中国、インドの5カ国トータルで同447万トンとなった。