2009年03月12日
極東でプロピレン価格が上昇
直近の中国のCFR価格は720ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、ここにきて極東のプロピレンのスポット価格が小幅ながら上昇してきた。中国向けの直近のCFR価格はトン720ドル平均となっており、1週間で20〜30ドル上がっている。2月下旬の平均に比べると約50ドルの上昇となる。今年に入ってからのピークの2月第2週の平均価格と同一のレベルまで戻ってきていると言える。

 反落に転じつつあるエチレンのスポット価格と相反する動きとなっているわけ。これには、エチレンセンターと異なる立地で生産活動を展開しているPPメーカーなど誘導品企業の間に極東地域のプロピレンの先行き品薄観と先高観が広がってきたことが大きく影響していると見られる。台湾・FPCやわが国のエチレンセンター各社がオレフィンの減産を継続する公算が濃厚な点や、ナフサ価格が反発傾向をたどるとの観測が広まってきたことによるもの。

 もっとも、同地域に先駆けて反騰していた東南アジア地域向けのプロピレンのスポット価格は逆に今週に入ってわずかながら値下がりしている。一時は750ドルまで上がったが、誘導品各社が一斉に反発して買い控えに出たため下降に転じた。直近のCFR価格は700ドル前後となっている模様。