2009年03月13日
ポリオレフィン各社、輸出に一段と注力
前年の2倍の規模に達する企業も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン各社の輸出拡大策に一段と熱が入ってきた。1月の輸出量はLDPEもHDPEもPPも軒並み久方ぶりに前年同月を大幅に上回ったが、2月はさらに大きな伸びとなった模様。在庫の削減が各社共通の命題となっていることによるもので、3月に入ってもなお各社とも輸出にドライブをかけ続けている。中には前年の2倍の規模に達しているところも現われている。しかしこのままいくと、アジア市況の足を日本勢が引っ張ることにもなりかねない。
 
 ポリオレフィン各社が輸出に力を入れ始めたのは昨年末になってから。在庫が大幅に膨らんできたことと、内需の早期回復が期待できない見通しとなってきたことによるものであった。その結果1月の各樹脂の輸出は、LDPEが前年同月比12%増、HDPEが同32%増、PPが同34%増と軒並み大幅な伸びとなった。3樹脂の輸出が揃って前年同月を上回ったのは07年10月いらいであり、しかも全ての樹脂が2ケタの伸びとなったのは同年5月いらい20ヶ月ぶりとなる。
 
 ポリオレフィン各社に取ってさいわいしたのは、最大の消費国である中国の樹脂加工市場における製品在庫がこれまでの長期にわたるレジンの買い控えによって大幅に縮小していたことであった。このため、価格についてもほぼ各社の希望が受け入れられてきたようだ。また、2月下旬以降に円安が進んできたことも各社に取って大きくプラスに働いたと言える。
 
 2月の輸出量は、どの樹脂も前月と前年同月の両方を引き続き大きく上回ったと見られる。前年同月を7〜8割上回ったのではないかというのが関係者に共通した見方となっている。そして3月はさらに2月を上回るのが必至と見られている。このままいくと、3月末のメーカー在庫は各社が目標としてきた規模にかなり近づくことになりそう。
 ただし、アジア市況が大きく下落するようなことになれば軌道修正が必要となる。