2009年03月17日 |
温暖化対策や化学物質管理対策に一層力を |
米倉・日化協会長が理事会後の会見で強調 |
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全) 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
日本化学工業協会の米倉弘昌会長(住友化学社長)は12日に開催された同協会の第129回理事会後に記者会見し、「厳しい経済環境が続くものの、日化協としては平成21年度も引き続き地球温暖化対策や化学物質管理対策などの国際的な課題に積極的に取り組んでいくことが重要と考える」と前置きして、主要課題それぞれを実現していくに当たっての基本的な考え方を明らかにした。 最重要課題の一つの地球温暖化対策については「現在化学業界では、わが国政府が中期目標の策定に向けて業界ヒアリングを開始したのに合わせてベンチマーク手法を用いての現在の技術による削減ポテンシャルの算出や革新的な技術開発による削減量の検討内容等を丁寧に説明しているところ」と先ずは中期目標設定に関する同協会の活動の現状を紹介。次いで「仮にも、具体的な対策やそれに要するコストを十分検討することなく高い目標を掲げれば国内経済の重しとなり、結局は大きな国民負担となって跳ね返ってくる」と述べて、中期目標の設定の仕方を誤ると国民経済上大きなマイナス効果をおよぼすことになる点を指摘。そして「したがって中期目標は、あくまでも客観的なデータに基づき、他の国の目標と比べて公平かつ具体的でコスト面も含めて実行可能性が十分であると裏打ちされたものとするのが不可欠」と結んだ。 また、温暖化を巡る活動の中では「化学製品のLCA活動の一層の充実が重要」とも語り、「最近の調査では、化学工業のCO2の総排出量が29億トンであるのに対して化学製品が製造から使用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体を通して削減しているCO2は83億トンに達していることが確認できている。こうした実態を客観的に証明して強くアピールしていきたい」と化学製品のLCA効果の大きさを広く世間に訴えていくことに対する強い意欲を示した。 一方の化学物質管理への取組みに関しては「国際化学工業協会協議会を中心に世界各国が取り組んでいる安全管理対策の徹底について引き続き主導的役割を果たしていきたい」と述べるとともに、「国内の新たな取組みとして、サプライチェーンを含めたプロダクト・スチュワードシップの充実と、レスポンシブル・ケア・プログラムの強化やさらには化学製品のグローバルなビジネス戦略につながるプログラムを作っていきたい」と新たな施策の展開に取り組んでいる点も披露した。 |