2009年03月17日
東ソー・四日市の機能製品プラント2機が完工
ハイシリカゼオライトとジルコニア粉末の増産へ
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはこのほど同社四日市事業所内にハイシリカゼオライトとジルコニア粉末の二つの新プラントを相次いで建設、12日の完工式を経て稼動を開始した。
 これで同社のハイシリカゼオライトとジルコニア粉末の生産拠点は南陽事業所と四日市事業所の2ヶ所となった。
 今回完成した二つの新プラントの生産能力は、いずれも既存の南陽事業所の設備と同じ規模。この結果、ハイシリカゼオライトの生産能力はこれまでの2倍に、またジルコニア粉末の生産能力は従来の1.5倍にそれぞれ大きく拡大した。投資金額は両設備トータルで約80億円とのこと。

 今回の両プラントの建設は、旺盛な内外の需要への的確な対応と、市場の広がりに伴って一層重要となってきた天災などによる供給リスクの回避、そしてもう一つは四日市事業所の基盤強化の3つの課題をクリアすることを目的に実施されたもの。稼動が軌道に乗れば、両製品をはじめとする機能商品事業部門と四日市事業所全体の体質がともに大きく強化されることになる。
 
 生産体制が大きく拡大したハイシリカゼオライトとジルコニア粉末は、いずれもたの材料にない高機能性が人気を呼んで世界各地で順調な伸びを遂げている。ともに世界トップクラスのシェアを確保しており、なかでもファインセラミックス用ジルコニアは断トツの市場占有率となっている。
 
 ハイシリカゼオライトの主な用途は、自動車排ガス処理触媒、揮発性有機化合物(VOC)の吸着除去剤、石油精製触媒、石油化学触媒など。最近は、地球環境問題のクローズアップに伴って自動車排ガス中のNOX等の吸着・分解用触媒向けと、VOC吸着向けの伸びが特に高いという。
 ジルコニア粉末の主用途は歯科材料、電子部品製造用粉砕ボール、光ファイバー接続部品、腕時計フレーム・バンドなど。特に歯科材料向けの需要の伸びが高く、今後も世界各地で順調な成長を遂げると同社では予想している。


四日市事業所 ジルコニア粉末新プラント

四日市事業所 ハイシリカゼオライト新プラント