2009年03月18日 |
PVCの出荷、2月も前年比19.7%減と低迷 |
輸出は2.8%増で14ヵ月振りの前年超え |
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会 |
塩ビ工業・環境協会が18日に明らかにしたところによると、塩ビ樹脂(PVC)の2月の総出荷数量は125,977トンで前年同月の実績を19.7%下回った。これでPVCの月間出荷量は、16ヵ月連続の前年同月割れとなった。 国内向けは72,016トンで、前年同月を31.0%下回っている。硬質用、軟質用、電線その他用の全分野の需要が引き続き低迷していることによる。いずれも7ヵ月連続の前年同月割れとなっている。 輸出は2.8%増の53,961トンとなり14ヵ月振りに前年同月超えに転じた。過去1年のボトムの昨年9月の実績に比べると31.2%増えたことになる。カーバイド法製品の生産・出荷量が縮小している中国からの引き合いと注文が活発になってきたことによるもの。 生産量は118,867トンで、前年同月を28.4%下回った。これでPVCの月間生産量は15ヵ月連続の前年同月割れとなった。各社が大幅減産を続けているためで、その結果2月末在庫は前月を5.8%、前年同月を9.0%下回るに至っている。 同樹脂の国内向け出荷が依然として前年を大きく割り込んでいる点について同協会の菅原公一会長(カネカ社長)は「景気の急速な後退に足を引っ張られて在庫の調整が十分に進まないでいるため需要家の多くが依然として大幅な減産を続けていることが影響している」と指摘、そして「在庫が適正レベルに縮小するまでは厳しい事態が続くと覚悟しなければならない」とも述べて、減産の継続が必要を示唆した。 一方、弱電業界の間でPVCの持つ優れた機能が再評価されて採用例が増えつつある点や、東大が樹脂サッシ窓の試験採用に踏み切った結果、優れた断熱・省エネ効果を発揮することが立証されるなど明るい材料も出始めたとあって、「遠からず塩ビの持つ様々な長所が多くの分野で高く評価されて実需が回復してくるはず」と述べた。 ○資料室へ 2009年/年度塩ビ樹脂生産出荷実績 http://www.chem-t.com/link/data/pvc/2008pvc.html 2009年度塩化ビニルモノマー生産・消費・在庫実績 http://www.chem-t.com/link/data/pvc/2008vcm.html |