2009年03月24日
ポリオレフィンの輸出比率が一気に拡大
2月は軒並み20%台で前年同月の2倍に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の総出荷数量に占める輸出数量の比率が一気に高まってきた。各社が今年に入って輸出に特に力を入れ始めたことによるもので、その結果2月の各樹脂の輸出比率は軒並み前年同月の2倍に拡大するに至っている。
 
 ポリオレフィン3樹脂の2月の輸出量(工場総出荷量のうちの海外向け量)は、LDPEが31,781トンで前年同月比が79.7%増、HDPEが15,430トンで同84.0%増、PPが41,718トンで同80.4%増となった。2ヵ月連続の3樹脂揃っての前年同月超えである。この結果、3樹脂それぞれの輸出比率はLDPEが25.6%、HDPEが22.8%、PPが21.9%となった。前年同月の輸出比率はLDPEが12.5%、HDPEが10.1%、PPが9.4%であったので、今年2月は3樹脂とも一気に2倍強に拡大したことになる。
 
 1月と2月を合わせた場合の輸出比率も前年同期を大きく上回っている。LDPEは前年同期の11.4%が21.3%に、HDPEは9.8%が20.1%に、PPは8.6%が18.8%にそれぞれ大幅に拡大している。 もともとポリオレフィン3樹脂の輸出比率は化成品や塩ビ樹脂と異なりさほど高くない。過去5年の推移を見ると以下のようになる。
 LDPE=04年11.5%、05年11.7%、06年12.7%、07年13.0%、08年12.3%。
 HDPE=04年13.6%、05年10.4%、06年10.7%、07年11.25、08年9.6%。
 PP=04年10.0%、05年10.6%、06年10.4%、07年11.5%、08年7.8%。
 
 それが今年に入って突然爆発的な伸びを遂げるに至ったのは、国内需要の不振の長期化によって蓄積した在庫の縮小が年度末を控えたポリオレフィン各社にとっていよいよ焦眉の急となってきたことに加えて、極端な低率稼動を余儀なくされているエチレンプラントの稼働率をこれ以上落とせないという切羽詰った状況に各社が追い込まれてきたことが大きく作用してのものと見られている。
 
 3月がどうなるかは現時点でははっきりしない。輸出拡大に意欲的な韓国、台湾、シンガポール、サウジアラビアといった国々との価格競争が激化すれば各社とも生産維持が一段と厳しくなる。