2009年03月25日
L-LDPEも出荷の不振が続く
2月も内需の低迷で前年比5.3%減
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の2月の総出荷数量は68,096トンで、前年同月の実績を5.3%下回った。これで同樹脂の月間出荷数量は7ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 PVC(塩ビ樹脂)の16ヶ月連続やPP(ポリプロピレン)の13ヶ月連続ほどではないものの、HP-LDPE(高圧法低密度ポリエチレン)とHDPE(高密度ポリエチレン)の8ヶ月連続やPS(ポリスチレン)の7ヵ月連続と同様に同樹脂も需要不振がこれまでになく長期におよんでいる点が浮き彫りになっている。
 
 同樹脂の場合も、総出荷量の前年割れが長期化しているのは国内向けが全品種にわたって低迷を続けているため。2月も国内向けは前年同月を22.7%下回って46,649トンにとどまった。汎用樹脂の中では縮小率が最も小さいとは言え、過去数年見られなかった大幅な減少が続いている。2月の実績の中では、フィルム用の27.1%減と射出成形用の25.0%減が特に目を引く。
最大消費品種のフィルム用は1月との累計も前年同期を32.0%下回っている。

 ところが一方の輸出は21,447トンで、前年同月を逆に86.5%上回っている。2ヵ月連続の前年同月超えで、総出荷数量に占める輸出比率は31.5%という異例の高さとなっている。同樹脂の総出荷量の対前年同月縮小率が汎用樹脂の中で唯一1けたにとどまったのは、輸出がこのようにポリオレフィンの中でも抜群の伸びを遂げたからにほかならない。
 同樹脂のアジア地域における最近のスポット相場はトン当たり1,000ドルをうかがうレベルまで上がっている。このため、サウジアラビア、シンガポール、韓国、日本といった主要生産国の間でシェア争いが再び激化しており、今後については日本勢も楽観は許されない。