2009年03月25日 |
DSM、「隠れた飢餓」対策に新手法を発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル(海外) 【関連企業・団体】:DSM |
DSM(本社:オランダ)は9日、国連世界食糧計画(WFP)と連携して「隠れた飢餓」対策の新手法を発見したと発表した。「隠れた飢餓」とは生存に必要最低限のカロリーを摂取していても、ビタミンやミネラルが不足している状態で、世界中で約20億人がこの問題を抱えている。 鉄分不足は隠れた飢餓の典型的な症状で、貧血を起こしやすく、子どもの成長や妊婦に悪影響を与える。世界で年間1,900万人の子どもが知的障害をもって生まれ、出産適齢期の女性の40%が鉄分不足のため、年間6万件の死産の原因になっている。 アフリカでは、トウモロコシやソルガム(たかきび)など、フィチン酸を多く含む穀類が食料とされているが、この天然成分は、鉄分、亜鉛、カルシウムなどのミネラルの吸収を遅らせるため、少量の鉄剤では効果が認められない。そこで大量に鉄剤を服用すると、マラリア感染増加の問題が起きてしまうという。 同社の研究プログラムは、酵素に関する知識と経験を活かし、フィチン酸の分解が可能な酵素フィターゼが利用できることを発見し、鉄剤の低用量投与でも鉄分不足解消に効果があることがわかった。フィターゼを食品補助剤に加え、通常の食事の栄養補助食品として加えたところ、鉄分の吸収率が5倍になった。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1237961931.pdf |