2009年03月26日
SMのアジア市況がさらに上昇
先高観もあってFOB/Kが860ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社筋によると、SM(スチレンモノマー)の極東の市況が今週に入ってさらに上昇してきた。
 最大の供給国である韓国の直近のFOB価格はトン当たり860ドルで、2週前に比べると40ドル高い。1ヵ月前の価格に対比すると100ドル強の上昇ということになる。最近のボトムは昨年11月中旬の510ドルなので、4ヵ月で350ドル上がったことになる。
 
 大手商社やSM業界では、最近のSMスポット相場の続伸の最大の要因は中国のSM誘導品業界からの引き合いの活発化にあると分析している。さらにその背景をたどると、台湾、日本、韓国等のSM供給各国の長期減産効果で中国の市中在庫が急速に縮小してきたこと、中国政府の緊急経済対策の発動によって家電製品向けのPS、ABS、EPS等のSM誘導品に対する需要が順調に回復しはじめたこと、原油とナフサの国際スポット相場の最近の反騰によって中国市場全体にSMをはじめとした石油化学製品に対する先高観測が再び広がってきたこと、などが挙げられると指摘する向きが多い。
 
 ただし、このままスポット相場が上昇を続けるかとなると首をかしげる関係者が少なくない。それというのも、最近はスポット市況の回復を睨んで台湾、日本、韓国の3カ国と中国のSM企業の間で減産に終止符を打つところが相次いで出始めているからだ。こうした動きが加速すればたちまち中国のCFR価格は反落することになりかねない。