2009年03月27日
中国からのPHの引き合いが活発に
家電積層板向け樹脂の需要が回復
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 わが国のPH(フェノール)メーカーならびに大手商社筋によると、中国のPH誘導品各社からの引き合いがここにきて再び活発になってきた。

 中国からのわが国へのPHの引き合いと注文は昨年10月を境に激減、昨年11月と12月のわが国の成約量はほぼゼロになり、PHメーカーも商社も既契約分を細々と船積みするにとどまった模様。今年に入ってからは多少回復してきたが、それでもなお前年の実績を大幅に下回ったとされる。
 ところが3月に入ってからは様相が大きく変わり、最近の引き合いと注文数量は1月や2月を5割前後上回る規模になっているという。契約数量も同様に過去2ヶ月を5割方上回っているようだ。

 こうした変化をもたらしている最大の要因は、中国政府の緊急景気激策の発動で白物家電製品の国内需要が拡大して家電各社の多くが増産体制を取り始めたことによって紙・フェノール積層板の消費量が急拡大してきた点にあると見られている。

 もっとも、PHの輸入CFR価格は引き続きトン580ドル前後の低水準に張り付いたままで、このためわが国のPH企業は依然として採算割れに頭を痛めている。