2009年03月27日
出光興産 「IZO」を太陽電池向け透明電極材料として供給開始
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産(本社:東京都千代田区、天坊昭彦社長)は26日、液晶パネルなどフラットパネルディスプレイ(FPD)用透明電極材料として提供している「IZO(酸化インジウムと酸化亜鉛からなる透明電極材料)」を、4月1日から太陽電池向けに供給すると発表した。

 同社が産業財産権を有している「IZO」は、1999年から液晶パネルや有機ELなどのFPD向けに販売している。「IZO」は、パネル生産時に異物の発生が少なく、薄膜の均一性、微細加工に優れているため、ユーザーから高い評価を得ている。技術の開発と実績が認められ2008年度日本化学会・化学技術賞を受賞している。

 太陽電池の電極材料として、現在は結晶シリコン系が主流となっているが、シリコンが高価であること、製造コストが高いため、薄膜シリコン系や化合物系の開発が進んでいる。化合物系の銅・インジウム・ガリウム・セレンの薄膜材料を用いるCIGS太陽電池の実用化が始まっている。

 太陽電池向けの透明電極には(1)発生した電気を無駄なく取り出すために抵抗値が低いこと、(2)太陽光をよりよく通すために透過率が高いこと、(3)高温高湿下においても耐久性に優れていることなどの3つの条件が求められる。「IZO」は、これらの条件を満たすことに着目し、CIGS太陽電池向けに用途拡大して販売することを決定したという。さらに変換効率を向上させる高性能な材料の開発を進め、2015年には売り上げ50億円を目指す。


ニュースリリース参照
○「IZO」を太陽電池向けの透明電極材料として供給開始
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1238411066.pdf

○CIGS系太陽電池サブモジュールの構造
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1238411361.ppt