2001年05月01日
汎用樹脂の1Qの対中輸出、目立つLDPEの縮小
HDPEとPVCは大幅な前年超えに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:財務省

 財務省の3月の輸出通関統計によると、対中国向けの輸出(香港向けを含む)数量は、HDPEが前年同月の実績を大幅に上回った(39.4%増)反面、同じポリエチレンのLDPEが逆に前年同月を著しく割り込むかたち(15.1%減)となった。PSは引続き低調(12.3%減)で、PPもわずかながら縮小(1.8%減)となっている。PVCは依然として堅実な伸び(6.6%増)を続けている。
 この結果、1~3月期トータルの対中輸出通関数量は、HDPEとPVCが前年同期を大きく上回ったものの、LDPEとPSが前年をかなり割り込み、PPはほぼ横並びとなった。この中では、PVCの中国向けの69.1%増が特に目立つ。
 このように樹脂別に大きなばらつきが生じた背景は必ずしも明確でないが、当面の稼働率にこだわるところと、あくまでも価格重視の事業戦略を貫くところとが2極分化する傾向が顕著になってきたことが大きいと分析する向きが関係筋には多い。
 各樹脂の1~3月期の対中輸出通関数量は次の通り。かっこ内は前年同月比。
 
 [LDPE]中国向け=1万8,828トン( 94.3%)
       香港向け=1万5,791トン( 65.8%)
       合計  =3万4,619トン( 78.8%)
       
 [HDPE]中国向け=2万6,972トン(135.9%)
       香港向け=  5,012トン( 60.3%)
       合計  =3万1,984トン(113.5%)
       
 [PP]  中国向け=3万6,348トン(116.7%)
       香港向け=1万3,746トン( 72.4%)
       合計  =5万0,094トン( 99.9%)
       
 [PS]  中国向け=  8,965トン(121.4%)
       香港向け=3万2,984トン( 82.4%)
       合計  =4万1,949トン( 88.4%)
       
 [PVC]中国向け=12万5,096トン(169.1%)
      香港向け= 3万6,143トン( 59.0%)
      合計  =16万1,239トン(119.3%)