2009年04月02日
PXの4月のACP、トン880ドルに
石油企業の減産で3月比50ドル高に
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 合繊原料PX(パラキシレン)の4月のアジア地域におけるコントラクトものの価格(ACP)がトン880ドルに引き上げられることがこのほど決まった。供給側の大手石油企業の多くは同910〜920ドルに引き上げたい考えであったが買い手のPTA各社が強く反発して再考を求め、結局は双方が譲歩するかたちで決着した。
 
 3月のACPは830ドルであったので、4月分は同50ドルの値上げとなる。これでPXのACPは、昨年12月の同600ドルをボトムに4ヵ月連続の上昇となった。
 
 今回の改訂にも、今年1〜3月期同様に石油企業大手の大幅減産が大きく作用している。需要は、中国のPTAの消費がまだ回復していないので前年を若干下回るレベルにとどまっている。このためPTAの3月のアジア市況は2月とは逆に下降線をたどり、月平均では前月比同30ドル安の同720ドルまで下がっている。それにもかかわらず4月分の引き上げが実現したのは、石油大手が軒並み採算確保のためかつてない思い切った減産に踏み切ったことで需給が一段とタイトになったからと見られている。また、三菱化学がこの2月末にインドで年産80万トン能力の大型PTA設備を増設したこともPXの需給逼迫に拍車をかける要因の一つになっているようだ。

 ただしPTA企業は、これ以上PXが上がるとPTAへの価格転嫁ができなくなって市場の縮小を招くことになると先行きを警戒している。