2009年04月07日
ポリオレフィンの対中輸出、2月はさらに活発
PVCも1年振りの前年超え、PSだけは依然低迷
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の2月の中国向け輸出(香港向けを含む、以下同)は、ポリオレフィンが1月以上に活発で軒並み前年同月の実績を大きく上回った。また、PVCも12ヵ月振りの前年同月超えとなった。しかしPSだけは引き続き低調で、7ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 
 ポリオレフィンの2月の対中輸出量は、LDPEが2.99倍となったのを筆頭にHDPEが2.2倍、PPホモポリマーが1.73倍、PPコポリマーが1.96倍と軒並み1月以上の高い伸びを遂げた。最大の消費国である中国からの引き合いが盛り返してきた機会を捉えて、各社が1月以上に中国向け輸出にドライブをかけてきたことによる。
 LDPEは17ヶ月連続の前年同月割れの後、3ヵ月連続の前年同月超えとなった。HDPEは7ヵ月連続の前年割れの後2ヵ月連続の、PP-Hは13ヶ月連続の前年割れの後同じく2ヵ月連続の、そしてPP-Cは3ヵ月連続のそれぞれ前年同月超えとなった。こうした中でもう一つ注目されるのは、総輸出量に占める中国向けの比率が4樹脂全てにわたって前年同月を大幅に上回っている点だ。例えばLDPEは前年2月の41.6%が今年2月は77.0%に、またPP-Hも57.6%が74.5%にそれぞれ拡大している。
 
 この結果、ポリオレフィン各樹脂の1〜2月の累計も同じく前年同期を大きく上回る形となっている。LDPEが2.56倍になったのをはじめ、HDPEが1.89倍、PP-Hが1.63倍、PP-Cが1.74倍と、いずれもこれまでにない高い伸びを遂げている。
 
 PVCも2月が10.7%伸びたことで1〜2月計もわずか0.8%ながら前年同月超えとなった。わが国のエチレン法塩ビのコストが中国のカーバイド法塩ビのそれを下回るようになってきたことが大きく影響している。2月の全輸出量に占める中国向けの比率は前年2月の65.0%から74.4%に拡大している。
 しかしPSは24.6%減で、前年割れからの脱却が2月もかなわなかった。1〜2月の累計も前年同期比32.7%減と大幅な落ち込みになっている。

 汎用樹脂の2月の中国向け輸出通関数量と1〜2月の累計は別表の通り。

【関連ファイル】
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1239062989.xls