2009年04月10日
アジアに西欧から大量のナフサが流入の見通し
インドからも余剰分が5月に入着の公算
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 複数のエチレンセンターが入手した情報によると、今週に入って北西欧各地でアジア地域向けの石油化学用ナフサの船積みが相次いでスタートしはじめた模様。欧州全域における石油化学製品の需要不振の長期化によって余剰となってきた大量のナフサを需要の回復傾向が現れ始めたアジア地域に振り向けることで一気に捌こうとしているもので、これによって5月中には一気に100万トンのナフサがアジア地域に流入することになるとの見方がわが国のエチレンセンターや大手商社の間に広がっている。

 これまでは、西欧で余剰となったナフサの多くはガソリン添加剤として米国に振り向けられるケースが多かった。しかし最近は、米国のガソリン需要が低迷しているため行き場を失ったナフサが北西欧全域で溢れかえっている状況にあるという。

 船積みされたナフサの多くは、タイ、マレーシア等の東南アジア諸国と台湾や韓国に持ち込まれると見られている。日本のエチレンセンターの中で、西欧品を大量に手当てした旨を表明するところはいまのところまだ現れていない。

 一方、インドからも同じく5月中にこれまで以上の量のナフサがアジア地域に持ち込まれるとの情報もある。センターの中には、5月中に流入するインドのナフサは70万トンの規模に達すると予想する向きもある。
 アジア地域では、韓国を皮切りに多くの国でエチレンプラントの操業率が引き上げれつつある。これに伴い、5月以降のナフサの需要量も拡大が必至と見られている。