2009年04月10日
PTAのアジア市況がさらに上昇
中国向けの中にはCFRトン850ドルものも
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるPTA(高純度テレフタル酸)のスポット市況が今週に入って一段と上昇してきた。
 
 最大の消費国である中国向けの直近のCFR価格の最高値は、トン当たり850ドルに達している。1週間前に比べるとおよそ50ドル高い。2週間で100ドル前後上がったことになる。わが国のPTAメーカーの中には、850ドルで契約したというところもある。
 
 スポット相場の上昇に一段と加速がついてきた感じだが、これには中国国内のトレーダーの多くが、最近顕著になってきたポリエステル繊維の染色各社の稼働率の上昇と原油の国際スポット相場の再騰を睨んで積極的にPTAの手当てに乗り出してきたことが大きく作用している模様。また、わが国をはじめとしたPTA輸出各国が原料PX(パラキシレン)のコントラクト価格の急騰に対応してPTAの輸出価格の引き上げに踏み切ったことも促進材料の一つとなっていると見られる。
 
 ただしわが国のPTAメーカー各社は、中国国内のポリエステル繊維の実需がどのていど回復しているかがはっきり掌握できないので、PXに連動してのPTAの輸出価格の引き上げはそろそろ限界にきているとの感触を強めている。